2017年12月11日月曜日

バリアフリー法改正

あーめっちゃ 寒かった。
神戸は風がきつくて辛かった。

今日僕はふるきんと神戸へ議員周りに行ってきました。
目的は来年予定されているバリアフリー法改正がより良い物となるように議員へ要望するためです。
特に衆議院と参議院の国土交通委員会に所属する議員が重要です。
来年2、3月頃に改正法案が国会に提出される予定なので案は国土交通省内で今年中に取りまとめられる可能性が高く、今重点的に回らないと良い方向に改正されない恐れがあります。
なので全国のJILやDPIの加盟団体がそれぞれの地域でロビーイング活動を展開しています。
僕たちもその一環で6人の兵庫県選出の議員にアプローチする予定です。

僕たちの望む改正のポイントは今週のメルマガでモガちゃんがお伝えしますのでそちらを読んで下さい。
だけどブログで要望書と資料の一部を紹介します。
すこし長くなりますが、お付き合いください。

日本のバリアフリーの最重要課題
地方のバリアフリー整備(新設)
②当事者評価の仕組み(新設)
③小規模店舗のバリアフリー化
④駅ホームの安全向上と単独乗降(ホームドア、段差・すき間解消)
⑤避難所としての学校のバリアフリー化

要望書前文(一部抜粋)

さて、2018年通常国会でバリアフリー法の改正が予定されております。2006年以来12年ぶりの改正となり、私たち障害者はこの法改正に大きな期待をもっております。

 2000年に制定された交通バリアフリー法(2006年バリアフリー法)は、公共交通機関のバリアフリー化を劇的に推進しました。1990年代までは、エレベーターが設置されている駅はほとんど無かったのが、いまでは都市部は90%以上の駅が車いすで利用できます。全く違う国になったと思うほどの劇的な進化です。バリアフリー法は素晴らしい成果を上げました。

一方で、残念ならが全く変化していない分野や、新たな問題が起きている分野があります。新しくオープンしたのに小規模な店舗は段差があって車いすでは入れない駅のホームと車両のすき間と段差が解消されないため車いすでは単独乗降ができない、通勤型車両の車いすスペースが少なく(1編成に1-2ヶ所)、車いす、ベビーカー、スーツケースで溢れかえっている等の問題です。
我が国が2014年に批准した障害者権利条約の国内実施や、東京2020オリンピック・パラリンピックを契機としたレガシーとしてのユニバーサルな社会づくりが求められております。



改正に盛り込むべきポイント(一部抜粋)
.東京2020オリンピック・パラリンピックと障害者権利条約に応えて法改正して頂きたいこと

1、第一条(目的)
(1)「移動の権利」を明記する
 バリアフリー法には移動の権利性が明確に定められていません。20176月に起きたバニラ・エア搭乗拒否事件では、バリアフリー法では対応できませんでした。DPI20177月に国交省安心生活政策課に出した質問「バリアフリー法の観点からこの問題はどの条文に抵触するとお考えでしょうかの回答は「今回のバニラ・エアの件に関して、バリアフリー法の条文に直接違反するものはないと考えていますであったことからも明らかです。
  障害者権利条約一般的意見2号第9条アクセシビリティでは下記のように移動の権利を明確に認めています。
  パラグラフ3「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約では、輸送機関、ホテル、飲食店、喫茶店、劇場、講演等一般公衆の使用を目的とするあらゆる場所及びサービスを利用する権利を、すべての人に保障している(第5(f))。このように、国際的な人権の法的枠組みにおいて、アクセスの権利を本質的な権利とみなす前例が確立されてきた
  パラグラフ4「市民的及び政治的権利に関する国際規約と、あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約では、国際人権法の一部としてのアクセス権が明確に規定されている

(2)共生社会(インクルーシブ)の理念を加える
現在の日本は、障害者と障害のないものとの場を分けたバリアフリー整備が進められています。障害者だけ別のルート、遠回り、長時間待たされる、隔離された覧席、異なる乗り物、といったものです。権利条約では、障害者と障害のないものを分けないインクルーシブな社会づくりが求められており、それを踏まえた法改正が必要です。
  障害者権利条約では、第3条一般原則(c)で「社会への完全かつ効果的な参加及び包容(インクルーシブ)」と明記し、障害のある人もない人も共に生きるインクルーシブな社会づくりを求めています。
  障害者基本法では第一条(目的)に「全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するため」とされています。
上記の2つを踏まえて、バリアフリー法にも第一条(目的)に共生社会の実現という目的規定が必要です。

2.       第二条(定義)
 権利条約を踏まえ、障害者基本法の障害の定義に合わる
障害者権利条約の理念を踏まえて、2011年に障害者基本法が改正され、「社会モデル」の考え方が導入されました。しかし、バリアフリー法の障害の定義は、「身体の機能上の制限を受ける者」という「医療モデル」のままで、矛盾しています。さらに、知的、精神、発達、難病などが除外された規定になっており、これも踏まえた改正が必要です。
●障害者基本法、差別解消法 第2条・定義
「障害者 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう」
※知的、精神、発達、難病などを含む包括的な定義になっている
※社会モデル(障害及び社会的障壁により…)
●バリアフリー法 第2条 定義
一 高齢者、障害者等 高齢者又は障害者で日常生活又は社会生活に身体の機能上の制限を受けるものその他日常生活又は社会生活に身体の機能上の制限を受ける者をいう
 ※医療モデル(身体の機能上の制限を受けるもの)

3.       第四~六条 環境整備を推し進めることを加える
差別解消法が制定され、不当な差別的取扱いは禁止されましたが、環境整備がされないと、実際には店舗や公共交通機関等の利用ができません。障害者差別解消法第5条では社会的障壁を除去するための環境の整備を、行政機関と事業者に求めています。これを推し進めるために、バリアフリー法第4条(国の責務)、第5条(地方公共団体の責務)、第6条(施設設置管理者等の責務)に環境整備推し進めることを明記してください。


4.       第六条 事業者の研修を加える
障害特性を踏まえた対応ができるようにするために、事業者の研修が必要です。第六条に当事者を入れた研修を事業者が実施すること義務化する条項を加えてください。

5.       新設 地方のバリアフリー整備を進める条項を加える最重要課題①
 障害者権利条約9条では、都市及び農村の双方においてバリアフリー整備を求めています。しかし、現在のバリアフリー法では乗降客3,000人以上の駅が対象といったように都市部を想定した制度設計となっており、地方の整備は進まず地域間格差が広がっています。条約の理念を踏まえて、地域間格差を是正する条文を盛り込んでください。
●障害者権利条約 第9
「都市及び農村の双方において、物理的環境、輸 送機関、情報通信(情報通信機器及び情報通信システムを含む。)並びに公衆に開放され又は提供される他の施設及びサービスを利用する機会を有することを確保するための適当な措置をとる。」

6.       新設 当事者参画による恒常的な評価システムを設ける最重要課題②
せっかく整備されたのに、利用者には非常に使いにくいというバリアフリー整備が多い。これは、利用者による評価システムがないために起きている。20172月に制定された「ユニバーサル社会2020行動計画」では、国に対して助言を行うユニバーサルデザイン 2020 評価会議を内閣官房に設置されることになりました。このようにバリアフリー整備を的確に推し進めるためには、利用者による評価システムが不可欠です。多様な障害者を構成員とした、恒常的な評価システムを設けるように法に明文化してください。

.移動円滑化基準等で見直していただきたいところ
1.       IPCアクセシビリティ・ガイド(世界基準)を移動円滑化に反映する
ユニバーサルデザイン2020行動計画では、「全国各地において、Tokyo2020 アクセシビリティ・ガイドライン等を踏まえた高い水準のユニバーサルデザインを推進する」とされました。Tokyo2020アクセシビリティ・ガイドラインは、国際パラリンピック委員会(IPC)が策定した「IPCアクセシビリティ・ガイド」を踏まえて策定されたものです。
IPCアクセシビリティ・ガイドは世界基準のバリアフリー整備ガイドラインで、日本のバリアフリー法の移動円滑化基準・ガイドラインはこれに大きく遅れを取っています。世界の基準に移動円滑化基準を引き上げることが必要です。

2.       小規模店舗も基準適合義務とする(新規店のユニバーサルデザイン化)最重要課題③

  現行のバリアフリー法では床面積2,000㎡以上の店舗しか基準適合義務がありません。この2,000㎡以上という基準は1994年のハートビル法から変わっていません。そのため、新規オープンした店舗でも、入り口に段差があり、椅子が固定式であるために、車いすでは入店できません。このままでは20年後も車いすで入店できる店舗はほとんど増えません
  新規出店時であれば、段差解消などのユニバーサルデザイン化をしても、コストはほとんど増えません。規模に応じて整備基準を策定すれば、事業者の負担も増大することなく、整備をすすめることができます。いま小規模店舗も基準適合義務とすれば、1020年後には日本全体にバリアフリーな店舗が増えて、誰もが住みやすい社会が実現できます。
  できるだけ事業者の負担を少なく、整備を進める施策が必要です。例えば、新規店は200㎡未満の店舗は、段差を解消し、ドア幅は700mm以上、イスは可動式のものにする。200㎡以上の店舗は、上記に加えてドア幅を800mm以上とし、車いすで利用できる多機能トイレを1つ以上整備する、車いすの高さに合わせたテーブルを数カ所設置するといったように、規模に応じて整備批准を定めれば、バリアフリー整備を推し進めることが出来ます


3.       規模に応じた整備基準を設ける(鉄道等)
  現行では、たとえば鉄道は1日の乗降客が3,000人以上の駅も、100万人以上の駅も同じ整備基準です。利用客が100万人以上の駅なのに、エレベーターのサイズが11人乗りでバリアフリールートは1つしかない。その結果、エレベーターの渋滞、車いすは大回りせざるを得ず時間が大幅にかかるといった問題が日常的に起こっています。
  これを改善するために、駅の規模に応じて大型化、複数ルート化が必要です。

4.       ホームドアの設置と、ホームと車両との段差・隙間の解消を進める(段差15-20mm以下、隙間30mm以下)最重要課題④
  駅の整備でほとんど進んでいないのがホームと車両との段差・隙間の解消です。公共交通移動等円滑化基準では「できる限り小さいものであること」とされてきたが、17年経って解消が進んでいません。車いすでは単独乗降できず、日常的に10~30分待たされ、乗車後に降車駅を変更することが出来ない等利便性が非常に悪いです。
  これらを解決するためには、段差と隙間の解消が不可欠です。数値基準を明記してください。具体的には段差は15-20mm以下、隙間は30mm以下が必要です(大阪市交通局は段差20mm以下、すき間30mm以下というを目標数値を設定して整備を進めています。

5.       基準適合義務の対象を拡大する最重要課題⑤
 バリアフリー法が施行後も、小規模店舗、共同住宅、一般の学校、ホテルなどはほとんど整備が進んでいません。基準適合義務がない、義務基準が低いためです。新築なのにバリアフリー化されていないものが続々と建てられてしまっています。
(1)  一般学校
  特別支援学校しか基準適合義務がありません。一般の学校は災害時に避難所となるため、バリアフリー整備は不可欠です。すべての学校を基準適合義務としてください

(4)  防災・災害
  阪神大震災以降、仮設住宅のバリアフリー化が求められてきましたが、2016年の熊本地震でも、当初設置されたバリアフリー仮設は室内に段差があり、ドア幅も狭く、実際には車いすで利用できませんでした。
  仮設住宅、見なし仮設住宅、災害復興住宅もバリアフリー整備基準を定め、基準適合義務としてください

(6)  空港アクセス・長距離バス 新規購入はバリアフリー車両を義務付ける
  現在、日本国内で約1万台以上走っていますが、リフトが付いたバリアフリー車両はわずか3台しかありません(羽田空港、成田空港)。整備が極端に遅れています。
  特に地方空港では市街への交通手段がバスしかないところが多く、車いすで市街へ移動できません。
  多くのバス会社は10数年で新しい車両に買い換えるため、新規購入時にバリアフリー車両(リフト付きもしくはノンステップ&スロープ等)を義務化すれば、10数年で殆どのバスが乗車可能となります。

以上要望書の一部を紹介しました。

本日は写真がなく申し訳ありません。質問等も受け付けております。
藤原勝也までご連絡ください。


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